11/25「近江八幡市郷土史会」の「第1回神社講演会」にいってきました
11月25日(金)、近江八幡の旧伴屋住宅(八幡教育会館)で開催された「近江八幡市郷土史会」の「第1回神社講演会」にいってきました。この事業は、本年度の湖国文学活動応援むらさき基金を活用しています。
同会は、3年前から近江八幡市内の神社すべての聞き取り調査をおこなっています。そこで、これまでの中間報告と、神社にまつわるお話しの講演がありました。
まず、同会事務局の小島さんから「市内神社調査中間報告」がありました。近江八幡市内には80の神社がありますが、『近江八幡の神さま・神社史(仮題)』の発刊をめざして、市内すべての神社の聞き取り調査をおこなっています。小島さんたちの丁寧な調査によって、古事記にかかれている国造りに関わる神の名前と事跡が、近江八幡市内の神社の祭神とどのような関わりがあるのか、また、各神社の位置とつながり、沖にある島、対岸の高島地域の神社なども信仰と深い関わりがあったことが明らかになったと報告されました。
つづいて、会長の山中さんからは、「神さま・神道とはⅠ」と題した講演がありました。神社やお宮さんは日本人の魂のふるさとで、全国の神社数は、8万から10万社といわれています。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は、一神教で唯一絶対の神がありますが、日本では、神道、仏教も多神教の八百万の神や仏が存在します。狩猟採取時代から農耕時代にはいり、生活様式が移動から定住になると「社」が形成されました。やがて「祀り」は、稲作と共に「祭」になっていきます。社殿やその他の神社施設が造られたのは仏教伝来の奈良時代からだといわれています。神域としての神社には大別すると、「産土型(うぶすながた)」と、「勧請型(かんじょうがた)」があります。前者は村の鎮守様で、後者は神の分霊を移してきました。
神道の源流は自然崇拝からですが、記紀神話として「古事記」と「日本書紀」が残されています。「古事記」は、天地開闢から33代の推古天皇までの皇統を明らかにしたもので712年に完成しました。たくさんの神様が登場し、とてもユニークな行動をされる神様たちのお話しも山中さんは紹介されました。一方の「日本書紀」は日本最初の正史で、神代から第41代の持統天皇までを扱っています。同時代の720年に完成しています。
近江八幡の神社の起源や受け継がれてきた珍しい祭などは、日本の歴史や近江八幡の歴史とどのように関わっているのでしょうか。今後の報告と書籍の発刊が楽しみです。