「彦根にほんご教師会」を訪問しました

 6月25日(土)、未来ファンドおうみ2016年度助成団体である「彦根にほんご教師会」を訪問しました。
 彦根にほんご教師会は、事業名『専門性をもつ教師による 子どもにほんご教室 in彦根』で今年度の「ナカザワNEOフレンドシップ基金助成」に採択されました。同会は、1990年に「彦根日本語講師会」として発足し、その後「にほんご滋賀」に名称変更し25年間活動を続けてきました。そして、2014年9月に「彦根にほんご教師会」と名称変更しました。
 活動拠点のひとつである彦根駅前アルプラザ6階の「大学サテライト・プラザ彦根」で、代表の富川さんと副代表の江畑さんから助成事業の概要と進捗状況をお聞きしました。

 彦根市内の企業で働く外国人が増え、その子どもたちも多くなっています。保護者が日本語を理解できず、学校の日本語教育だけでは、子どもの教科学習が円滑に進められない状況があります。外国籍だけではなく、日本国籍でも「日本語教育」が必要な子どもたちは、公立学校での日本語指導の対象となっていない場合があります。また、日本語指導を受けたいと思っても学習をする場がありません。さらに、大人の日本語教室はあっても、教科指導も含めた子どものための日本語教室はないという現状があります。
 そこで、就学前1年~中学生までの「外国につながりのある」子どもたちに、効果的な日本語指導や教科指導をおこなっています。月3回、大学サテライト・プラザ彦根で「子どもにほんご教室」を開催しています。さらに、そこへ通えない子どもや、学校の管理職から要請のあった彦根市内の中学校、小学校へ出張し日本語指導・日本語能力レベル調査をおこなっています。実施日は、水曜日の放課後活用や、管理職の許可がある学校は学習の時間内に組み込まれています。
 さらに、ボランティア日本語指導者を対象に、月1回研修をおこなっています。「日本語指導・教科指導(JSL:主に外国語としての日本語 Japanese as a Second Language)」で、より専門的で効果の高い指導をめざしています。
 「外国につながりのある」子どもたちは、文化の違い、親の教育方針、家庭の事情などにより、なかなか学習を続けられない子もいますが、講師のみなさんが様々な専門性を活かし、工夫しながら教室や出張講座を続けています。お二人は、「家族が気持ちよく送り出してくれるから、この活動が続けられるのですよ」とにこやかに話してくださいました。